TM会場は前日の雨でグランドが水を含みとても滑りやすくなっていました。子供達からは人工芝でやりたい!という声が出ていましたがごもっともですね。プレー条件が変わらないような環境整備も必要です。でもこのツルツル状態は獲得できることがたくさんあるのでとても有り難い機会です!
tierraの子供達はボールを動かそうとした瞬間よく滑っていました。一歩目で滑るのでなかなかプレーしづらそうです。ここからは二つのことがわかります。
一つ目は、膝抜きから踏み込む、ピボットなどがよく身についている!ということです。一歩目の加速が無ければ滑ることもないと思います。しかし、一歩目の加速が有ればあるほど地面を踏み込んだ瞬間ズルッと滑ります。
二つ目は、思考の枠から飛びさせていないことです。サッカーを今までこうやっていた、という思考から抜けることが出来れば自分ではなくボールを動かせば良いこと、オフでポジションを早く取れば良いことに気付くと思います。「毎回条件が異なる環境」というのもとても大切になります。
1試合目のtierraの子供達はドリブルでの突破に固執しているようでした。1試合目の途中、2試合目との間にボールを置いてプレーしてみたら?という提案をしてみました。
例えば、その場でボールコントロールをして、相手が飛び込んできて滑っている時にパスを出せばそのパスは通ると思います。そんなことを繰り返すと相手は飛び込まなくなるでしょうから、ボールを置いて選ぶ時間も生まれてきます。こうなるとtierraの子供達はビルドアップしてバイタルからゴールに迫ることが出来ます。
今回のトレーニングテーマは「トランジションの守備対応」でした。これについても滑るグランドは良い方向に影響したと思います。トランジションでは、攻守のポジションが逆になっています。素早く守備ポジションを取ることが出来ればチャレカバでボールを奪うことが出来ますが、トランジションの守備では難しいです。なぜなら、チャレンジがゴール方向からではないので相手をゴール方向へ進めてしまう「突破」させてしまうからです。または、後方から飛び出すとゴール方向のスペースを与えてしまいます。
tierraの失点の多くはここで生まれています。どうしても新3年生と小さい子もおり運動能力の優れた6年生の子達に個の力で勝つことが出来ません。そのため、トランジションの時に安易にプレスに行くとチームが崩れてしまいます。崩されているのではなく崩れています。
トランジションではプレーの原則で2番目に来る「遅らせる」が重要になります。オンに対して遅らせる守備をすることで味方がプレスに行く時間を作る、また味方が守備ポジションに着く時間を作ります。そうなるとチャレカバがはまります。もちろん、個で解決できるのであればプレスで奪ったり、規制限定し対人で奪うことも出来ると思います。
これはケースバイケースなので実際にやってみないとわからないです。また、この部分は伸び代でもあり、このような経験の積み上げが将来とても重要になってくると思います。
ゲームの内容についても同じようなことが言えます。私がプランを作り狙いがあり選手達が実行することを求めるのであれば細かな指示が必要になるかもしれません。ただ、目の前にいるのはジュニア世代の子達です。もっとも必要なことはチャレンジさせることです。
チャレンジの結果、失点するかもしれません。子供達は好奇心の塊です。こうしたらどうなる?というチャレンジを繰り返しながら徐々にプレーを固めていきます。ここに目的ではないもの、例えば「ゴールを守る」ではなく「マークにつく」という手段を求めてしまうと目的がズレていきますし子供達はそのようにプログラムされていってしまいます。コーチングは間違いなく子供達の将来に影響を及ぼすと思います。
子供達はあらゆることを自分で学習する段階ですからその機会がとても重要です。周りの大人が「こうであろう」というあやふやな型にはめれば「朱に交われば赤くなる」そうなっていきます。
守備の目的の一つは「ボールを奪う」ことです。どのように奪うのか?どうすれば奪えるのか?「いけ!」「プレス!」と結果を求めるのではなく状況を伝え、そうなるように導いてあげる必要があります。
tierraで指導者にあたっている私はB級ライセンスです。私の知識で出来ることは目的が達成できるよう条件に応じて選手達にアドバイスをしてあげることです。私がサッカーを設計するのではなく基礎を伝え選手達にサッカーを設計してもらう役割です。ジュニア世代にA級が必要となるのか?まだ私の経験では判断がつきません。ただジュニアはまだ基本的な戦術理解が出来ていないのでまだいらないかな?とは思っています。
来週からリーグ戦が始まります。10月の段階で子供達がどれくらい成長するのか楽しみです!