サッカーを文化に！

2023年4月10日チーム活動

サッカーを文化にしていくために最初の壁となるのは「勝敗」かもしれない、ふとそんなことを考えています。

勝敗はサッカーの目的そのものでありながら、文化形成のためには扱いが少し難しいものかもしれません。勝ち負けは要するにトーナメント戦ですから負けたら去ります。それに勝ち負けは戦いです。その対象は「自分」ではなく「相手」になりがちです。

これはケンカや戦争と同じで相手より強い奴が勝つというものです。

さてさて、小さな時に発育発達の差で勝てていた子もどこかで負けます。その時に初めて敗北を知ります。勝ち負けという物差しだけでは「本質的な差」という現実を知ることになるので挫折するしかありません。サッカーは地上だけで出来るのでまだバスケやバレーボールほど身体能力の差が如実に現れるわけではありません。サッカーは体格的に恵まれていなくてもまだ可能性が残っているスポーツです。

ただそれはサッカーというスポーツの枠の中の話でアスリートという枠で捉えてしまうと身体能力が高い方が有利になります。誰よりも速く、誰よりも強く、誰よりも大きい、そんな人は勝つ確率が単純に高くなります。こうなってくるとメジャースポーツからマイナースポーツへ格下げされていくと思います。

私は日本サッカーは今もマイナースポーツだと思っています。それは育成からプロまで同じようなシステムになってしまい、まるでクルクル回転する脱水機のように中の人を振るい飛ばし外からの新たな流入がないからです。本来は誰でも好きな時に入ることができる温泉のようになっていなければならないと思います。

日本のサッカーは正直とてもつまらないです。サッカーを知らない、興味がない、というような人達は観ることがないと思います。サッカーの指導者である私でも飽きてしまいます。サッカーは誰が観ても楽しい！というようなものになっていません。単純な人との戦いを見せられても不快です。観たいのはその人自身が自分と闘う姿です。

服を買いに行ったり、オシャレな街に出かけたり、テーマパークに行ったり、映画を見に行ったり、行楽地に行ったり、アウトドアで遊んだり、美味しいものを食べに行ったり、動画サイトを見たり、ゲームをしたり、これよりもサッカーが観たい！とならなければならないし、これらよりも魅力的にならなければサッカーを文化にすることを実現出来ません。

数多くの娯楽がサッカーと時間を取り合うライバルです。残念ながら代表戦ですら途中で寝落ちしてしまう程、時間が長く感じてしまい刺激がありません。

他人との戦いは結果を予想するのが簡単です。そこにクリエイティブなものがなければ他人に観てもらうことはできないと思います。相手の技を受けるプロレスは上手く出来ています。

また、過去と未来の間にあるのが「今」と捉えることができればサッカーも文化になり得ると思います。しかし「今」にクローズアップし「今」を積み重ねて未来を作ろうとすると文化にならないと思います。「今」は経済でありマーケティングです。

日々の楽しみの中にサッカーが存在している、このような形になってくればサッカーは文化となり同時に経済圏も広がりプロ選手に対しても大きな報酬が発生してくると思います。夢も持てます！

しかし、ジュニアサッカーもビジネス化が進んでいます。これはマーケティングですから、当然勝敗にこだわる必要があるし、戦い方も戦術的になってくると思います。そうなると未来にあるべき文化は無くなっていきます。

上でも書きましたがマーケティングで勝てるのは、スピードがあって、大きくて、強い、という子達です。発育発達段階で勝てても後に誰かに追い越されれば負けます。その時に文化的なものを求めても時すでに遅しという状況です。これを永遠と繰り返しているように見えるのは私だけでしょうか？30年以上前から変わっていないような気がします。

マーケティングは効率化を求め、いずれシステムを生み出します。システムが完成するとそこには思考が存在しません。他人からの指示、ルールという中で思考せずにサッカーをしていても応用が効きませんのでシステムに合わせるために「歯を食いしばること」というような我慢しか得られないかもしれません。結果として人生は「堪えるもの」というレールが敷かれ、これは人生を楽しむ上であまり得策ではないように思います。

日本は小さなアメリカと言われるくらいアメリカ式資本主義に浸かっています。それは言い換えれば、経済であり、マーケティングでこれらは陰陽の関係です。

ジュニアサッカーもマーケティングが主流です。tierraは文化形成を狙っているので主流派とは「マーケティングvs文化」の構図です。本来は融合がベストです。しかし、この構図はとても重要です。何らかの形で主流派に対して結果を出すことが出来なければスモールな文化形成でさえ叶いません。

子供達には自由な発想、クリエイティブなプレーで楽しんでもらえたらと思います。また、誰が観ていても楽しいサッカーを展開出来れば最高ですね！tierraはちょっと異質なチームです。