5月14日には、4種リーグ第2節が開催されました。結果は大敗です。残念ながらチームはまだまだ闘うレベルに至っていません。
4種リーグでは多くのチームの皆様に胸を貸していただき大変な成長機会をいただいております。
私は少年サッカーに幾つかの課題を見ています。1番大きな課題は「偶然」に頼りすぎている点です。4種でもテクニックに長けた子もいますが、あくまで4種レベルでの話です。そしてグランドはクレーが多く人工芝など地面の条件が一定ではありません。
そうするとイレギュラーが必ず発生します。
ボールが入ったところではミスが生まれます。そこを狙えばボールを掻っ攫うことが出来ます。そうなるとカウンターになるので楽にゴールを目指すことが出来ます。縦ポンサッカーが強いのはこれが原因です。
ここで求められるのは、偶然に勝利する強引さのようなものになると思います。気持ちの強さ、スピード、パワー、など相手より優れていれば偶然の勝率が上がります。
しかし、こうなるとプレスは甘くなります。ボールが入るところでもたつくので、本来のタイミングより遅れていても奪えてしまいます。無意識にそれでよし!と判断してしまうかもしれません。でも上のカテゴリーでは通用しません。
では、グランドがしっかりと整備されていれば良いか?というとこれも必ずしも良いとは言えません。子供達は神経系が発達する時期でもあります。ボールのイレギュラーは意図せず神経を刺激することに役立っていると思います。これは難しい所です。
だから天然芝がいいのだと思います。天然芝であれば、転倒して怪我をするリスクが低いので守備の強度が上がります。守備にはスライディングタックルほどの強度が必要です。簡単にボールなんか持てないんです。ボールを持つことが1つの目的になります。
だからボールを扱うテクニックだけを伸ばすと?何か不都合な習慣が生まれてしまいそうな気がしませんか?
サッカーには原理原則というモノが存在しています。「攻撃、失う、守備、奪う」という四つの局面がクルクル回っているのがサッカーの構造になります。4種であまり取り組まれていないのが「失う」という局面です。結果として全ての局面から相手が消えてしまいます。
「失う」という局面が「偶然」を作り出す原因です。「ボールを守る」ことが出来ていないというわけです。コントロールのタイミングで相手を認識できていないので簡単にボールを失ってしまいます。でもこれはまだサッカーだけの課題です。
最大の課題。
それは知らず知らずのうちに人間にとって最も重要なポテンシャルを失っていることに気付いていないことです。
失っているのは「好奇心」です。
サッカーの試合で「こういう時にこんなことをやったらどうなるのだろう?」「こうなっちゃったから今度はこうしてみよう!」こんな事が出来ている子供はかなり少ないです。
そしてこの好奇心は「こういう時はこうするんだ」という大人の誘導により失われていきます。こうなると自分の頭は必要ありません。「そういうものなんですね」と外からの情報を素直に受け入れる人が育ちます。
重要なことは自分がどう捉えるのか?という部分です。頭の良し悪しは必ずしも成績だけで計れるものではありません。
好奇心を失うと、代わりになるものが必要になってきます。これが「他者による干渉」です。
例えば、やる気を出すために円陣やアップなどで大きな声を出す。しかし、そもそも「やる気」というものは存在しておらず、やることで起こる感情などの変化を指しているそうです。順序が逆になっていますが、その原因は好奇心を失いそこに至らないことにあります。
「日本人はチームワークが良い」と言われていますがこれも同じです。好奇心が無く自ら行動を生み出せないので他者の力を貸してもらう必要が出てきます。本来は個が集まりチームとなりますが、チームとなり個が生かされる構図、これも逆になります。
自分が空っぽになってしまうので人からの指示に応えられる武装が必要になってしまいます。人に使われてどうするんだ?と思うわけです。
子供が生まれた時は「好奇心」を持っています。でも、それはダメ!こうやるんだよ!違うそうじゃないよ!などと「〜しなければならない」というマストを求めたり「そうではない!」というノットを使って教育すれば「好奇心」は無くなります。教育をしているのでしっかり結果が伴います。
例えば、サッカー経験のない大人に審判を打診して快く受けていただける方がどれくらいいるでしょうか?
私はやります!と勇気を振り絞って頂く方もいるかもしれません。しかし、必要なのは「やってみたい!」と思う好奇心です。
さて、好奇心というポテンシャルを残している大人がどれくらいいるでしょうか?「無い袖は触れない」これが子供の好奇心が失われる原因ではないかと思っています。体験機会がとても重要です!