サッカーをする子供達にとって最も大切なことはサポートしてあげることです。子供達は子供です。当然のことながら大人ほどの知識はありません。
「子供は小さな大人ではない」
もう一度書きますが、子供は子供です。ゲームなどをやらせればわかると思いますが、限度などなくずっとゲームをしていると思います。ここでいうゲームはマイクラやスプラトゥーンというものです。
お菓子も好きでしょう。お菓子ばかり食べていてもそのままにしておく親はいないと思います。当然ご飯を食べるよう促すと思います。
サッカーも同じです。言ってみれば、ずっとマイクラをやっているし、ずっとお菓子を食べています。それでそれを良しとしているのは大人達です。サッカーもダメに決まってますよね。
いくつか要素はありますが、子供達は発育発達段階です。素足で練習会場を歩いてみてください。痛くて歩き方がぎこちなくなると思います。そうすると、そういう歩き方になります。これは靴を履いていても同じです。脳が勝手に足を怪我しないようなフォームに変えてしまいます。だから足が遅いんです。こんなことを土曜日、日曜日と朝から晩までやっていれば当然怪我をするでしょう。フォームを崩した上に怪我をするので夢からは遠ざかっていることに気付くと思います。
努力の押し売りは良くありません。重要なのは質です。それだけ体も消耗するので食事もかなりのカロリーが必要になります。バランスも必要です。
子供達の判断にも疑問が生まれると思います。なぜ、お菓子はダメでサッカーはいいのか?なぜ、マイクラはダメでサッカーはいいのか?これは当然の疑問です。
子供が感じている通りサッカーだけではダメということです。
サッカーというスポーツは少し特殊です。誰かの指示により何かをするスポーツではありません。自分で考えて自分で行動する、プレーを求められます。野球はどちらかというと考えるのは監督であって行動は選手という感じだと思います。ベースにもコーチがついてますよね。
サッカーは全て自分です。だから、極端な話としてはサッカーをやるか、やらないか、も本人が決める必要があります。トレーニングや試合の中でもやるか、やらないか、も本人に選択権があります。自分でやるのであればやればいいし、やらないのであればやらなければいい、これは選択肢を自ら選ぶという自立です。
ここで「やれ!」と言ってしまえば?そうです、自立の機会を失います。
ここまでは個人にフォーカスしていますが、集団になった時はどうでしょうか?そこにはルールが発生してきます。このルールという一つの概念を「教育」「型」として受け入れることができれば勉強が出来るようになります。学校の授業や習い事でやっているのは「型」のインプットです。
お友達からの「ずるいよ!」などとの声にどのように反応するのか、これが「型」を受け入れるための体験、トレーニングになります。自分達でルールを作ることが出来ればいいのです。
しかし、そこに「個」がなければ型をこなすだけの人が出来てしまいます。こなすだけでは型の難易度が高くなったら出来なくなると思います。しかし、「個」があれば、「やらない」という選択肢もあるし、「型を崩す」ことも出来ると思います。
これが出来ないと、大きな怪我をしてしまったり、途中で挫折したりして夢への道が途切れてしまうと思います。
現在の子供達は、トレーディングカードかな?と思うほどに「型」を収集しています。大人たちも「型」を買い与えていると思います。しかし、この型はトレードすることが出来ず使いこなす必要があります。使いこなすためには「個」の成長が不可欠です。
食事、睡眠、体験、休息、遊び、学び、あらゆるものを与える必要があります。これをマネジメントできるのは保護者の方だけです。
子供が「サッカー選手になりたい!」という夢を持った時、大人が取るべき行動は「型」を身につける場を詰め込むことではなく、そうなれる個人を育てるために大人自らが主体的に行動することです。栄養学を学んだり、バイオメカニクスを学んだり、あらゆる分野を学ぶことが必要です。
大人が主体的であれば子供は当然背中を見ているので主体的になると思います。しかし、買い与えているだけであれば子供も安易な発想を持つことになると思います。サッカー選手になる事はwebで調べたことを実践して達成できるほど甘くはありません。なぜこのような子が多いのか不思議です。
どうすれば良いかはとても簡単です。
大人が体験をする事です。やってみればわかると思います。土曜日、日曜日とサッカーをやってみてください。またその際は誰かに指示をされることも体験してみてください。そして次の日からは会社です。帰ってきたら、家事を手伝ってください。子供の面倒も見てください。そして金曜日まで繰り返したらまたサッカーをやりましょう!
そこに「へたくそ!」という声が掛けられたらやりたいですか?
サッカーはとても疲れます。いくら子供に体力があるからと言ってもサッカーの全局面で全力を求められて上手くなるわけがありません。人間にはスタミナと集中力がありそれらは無限ではありません。本人がやるやらない含め自由に選択すべきです。
トレーニングの中で子供が「これをやろう!」と決めてくれればそれをやってくれます。それだけをやってくれればそれだけは上手くなります。毎回、好奇心を持って「あれやってみようかな?」と増やしていけば良いだけです。
6年間もサッカーをやっていて上手くならない、なんて事はあり得ません。やり方を間違えているだけです。
しかし、上手くなるためには主体性が必要です。「人にやれ!」と言われてやっているようでは絶対に辿り着くことができません。これは誰かに聞いた話ではなく私の体験がベースになります。情報をジャッジするためには自分自身の体験が必要なのです。