今回のトレーニングテーマは「オフザボール」です。サッカーのゲームではオフザボールの時間が圧倒的に長くなります。これではボールを扱う機会が少なく、駆け引きの体験が積めない!ということでジュニア年代に8人制サッカーが導入されました。
中学生になると11人制のサッカーに変わります。
オンよりもオフを求められることになります。8人制サッカーでは、オンの体験量が増える一方でオフの体験量は減っていきます。体験機会が少ないので上手くいかない、ということが起こります。
だから、役割を決めたり、ポジションを固定せずいろいろな体験を積ませてあげることが一人一人を育成する上では重要になります。チームが勝つために抜き不向きでポジションを与えるとその位置によっては体験できないこともあります。
例えばサイドの選手に固定されるとスローインを投げることになると思います。そうするとスローインを受けるプレーの体験機会がなくなりますね。どのようにスペースを作り、使うのか?どのように体を使うのか?身につきません。
中学校では、概念を入れていく作業になります。それは頭がそちら向きに変化しているからです。理論的なことを受け付けるようになる一方で理論の理解は自身の体験に基づきます。体験が薄ければ結構な時間がかかります。そうなると?プロになるどころではないですね。他の子の中にはその間に体験しているのですから、その差が縮まりません。
さて、サッカーには「サッカーの原理原則」をはじめとして数多くの法則のようなものがあります。これらは、指導者が把握する必要があります。でも、選手は把握する必要はありません。
どういうことかというと、「選手は普段道を歩くようにサッカーをすれば良い」ということです。頭を使って考える、ことは足りないことを指します。何が足りないのか?それは「体験」ですね!
やったことがあるので別に考える必要はないですね。やれば良いですよ!
たがら、サッカーの指導者は「トレーニング計画」を作るわけです。そして「コーチング」を行います。この2つを駆使して実際に選手が体験したことを何倍にも増幅していきます。そうすると選手は「道を歩くように」それをやってくれます。
サッカーに数多くある法則のようなもの、これはサッカーから生まれています。だから、サッカーをやれば自ずと生まれてきます。逆にサッカーにある数多くの法則が現象として現れるのであればそれはサッカーだと言えますよね。
今回のトレーニングでは「サッカーの目的」についてトレーニングしました。当然、「ゴールを目指す」ことです。これは攻撃の優先順位であり、プレーの原則でもあります。そしてサッカーの原理原則にも関わってきます。攻撃の後には守備がありますよね。オンもオフもゴールを目指すことを求めていくとトランジションでピンチを招きます。そんなことを繰り返すとラインが一つ増えますよね?1ラインから2ラインというようにシステムが生まれ、ラインが増えるとチャレカバが始まります。そしてファーストディフェンスは粘り強く守備を始めセカンドディフェンスは中間ポジションを取り始めます。オフの行動もオンの前、ゴールに向かう動きが通用しなくなります。そうすると?サポートポジションを見つけます。オンもオフもゴールを目指すことでコンパクトなゲームになってくるので、自陣側にはスペースが生まれます。そこを上手く使ってサイドチェンジが生まれます。
という感じで、サッカーの法則があちらこちらに出てきます。これらは教えたことではなく、道歩くようにサッカーをすることで生まれた現象です。
ジュニア世代で私が落とし込みたいのは「サッカー」です。そうすればあらゆる原理原則は勝手に生まれます。体験していれば概念として教えられた時にもスッーと入ります。
今回狙った現象はオフのポジション「攻撃サポート」です。それに気付かせるために行ったトレーニングは「ゴールを目指すこと」です。身につけるためには、私が教えるのではなく子供達自身に気付いてもらうことが重要です。