土曜日にトレーニングをして日曜日には4種リーグがありました。トレーニングの方は、チャレンジです。プレーの原則でいうと「突破」です。子供達の頭が少し整理されたと思います。
基本的には、考えることはしてはいけないと思います。「考える」という行為は自分ではなく外にある概念を用います。だから、自分はわからん!という状態になります。この「考える」という行為はアナロジー(類推)ができるようになってからでないと意味がありません。類推は自分の経験と新たしい事柄をロジック的に繋げていく作業です。自分が体験したことに新しいことを繋いでしまうというスーパースキルです。これができる人はいろいろなことを体験してきた人だけだと思います。だから、考えてはいけない、行動することが重要になります。だから初めは体験するしかないんです。急がば回れですね。
前に指導者講習会でインストラクターの方に言われたことがあります。少しトレーニングをしてストップが掛かりました。
「これ以上やっても上手くならないので辞めましょう」これが掛けられた言葉です。私はそんなにサッカーに情熱を燃やしてきていませんが、中にはサッカーでは一流の大学出身の方なんかもいて技術レベルが低かったわけではありません。
どういうことかいうと「一回やって出来なければ出来ない」ということです。Jリーガーなどは一回見せればできちゃうそうです。それぐらい一般の方とは差があります。ここにはいろんな能力があると思いますが、メタファーやアナロジーといったような比喩、類推、の能力が高いんだと思います。これは一度見ればできる能力です。
そのため、繰り返し練習させるのはあまり意味がないと思います。世の中には練習しなくても出来る人がいます。自分で取り組む分には繰り返す練習は必要です。
これは視点が異なりますね。自分の目で見て、体験した他人との差、これを自分がどうしたいのか?これが努力であってそのための練習だと思います。自分が何とも思わなければ、やらなくてもいいわけですね。逆に、人にやらされてどうするのよ?と思うわけです。これを習慣にしてしまえば、練習は人にやってもらうことになってしまいます。みんな同じ、ということに繋がりますね。
過保護の親の子も出来ないです。これはすごく当然で、本人がやるべきことを全部親がやっているわけですから、子供はやる必要がなくやるわけがありません。
ティエラのチームは3年生が2人、4年生が1人、5年生が3人、6年生が4人という編成です。みなさん、発育発達の段階が異なりみんな一緒というわけにはいきません。同じ学年であって発育発達の段階は異なるし、つまづいてるポイントも異なります。
一人一人導いていく必要があります。
元気のない6年生は「概念」に押しつぶされています。大人からの「こうやるべきだ!」というやり方と自分の体験がマッチしていないので考え込んでしまっているようです。だから「空を見て青いな!下を見て芝があるな!となった時寝っ転がりたいならそこに寝ればいいよね?」と伝えました。
君が見て感じたことが君の答えなんだから、他人に言われたことを考えても意味がないだろ?と。1試合目はらしくなかったその子は2試合はイキイキとらしくサッカーをしてくれました。
多くの場合、大人が子供の可能性を潰しています。子供達はみんな労働者になっていきますが、投資家や起業家になれるような子も沢山います。なぜ、そちらのトレーニングをさせずに忍耐と努力といったようなブラック企業で耐える力を教えているのでしょうか?それは人生を諦めれば誰にでも出来ることで教える必要なんかありません。
GKの子は、とても多くの失点します。失点しないためにどうしたら良いか?彼なりに答えを出そうとしています。観察していると「なるべくボールに寄って守備をする、だから足元まで寄った方が良い!」と考えているようです。これは正解です。何回か成功していました。要するに自分で勝ち取った成功体験です。
でも、これはとても難しいですよね。少し角度を変えられたらシュートコースが生まれてしまいます。少年サッカーで得点を取られないようにするには大きな子がゴールにへばりつけば良いでしょう。ゴールが小さいですから。
でも、大人サイズのゴール、大人のシュート力の前では無力です。シュートコースを消しゴールを小さくするため、リスクを負って前に出る必要があります。ゴールにへばりつくことで得た自分の成功体験を捨ててそんなことが出来るようになる時には現役が終わってしまうと思います。
でも一部の能力の高い子がこれをやってのけます。体の大きさ、手足の長さ、スピード、反射神経、勘の良さ、などを持っていれば。
大人のミニマムをやれば良いわけでない、ということ「子供は小さな大人ではない」ということです。能力が足りないなら体験するしか方法はありません。
ティエラの得点王はテニスプレーヤーです。
毎週、サッカーに明け暮れているわけではなくテニスをやっています。たまにサッカーをやります。でも大量失点のなか彼が得点をとっています。
一生懸命練習をしたから成功した、というのは嘘です。
簡単にいうと成功は「能力」と「その場でジタバタする力」です。相手もサッカーチームですから6年間多くの練習をしていると思います。でもティエラのその子はそんなにサッカーをやっていません。でもドリブルでぶち抜いてシュートを決めます。大切なのは「能力」を育てることです。
その子は小学二年生の時からの付き合いです。サッカーというより体育館での遊びや川遊び、釣りなどを共にしているある種の友人です。
サッカーに対する努力はまだしていません。でもサッカーで勝てます。
ここで重要なのは、運動として自分をアウトプットするための体の操作が出来ること。自分自分の引き出しを増やすための体験、自分の選択を生み出すための体験。その体験を基にその場で何とかする力です。これはメタファーやアナロジーでもあり、リスクマネジメントでもあります。チャレンジでもありマリーシアでもあります。簡単言えばその子そのものです。
そして、自分が目で見たこと、体験したことを、自分が判断して自分が行動する力が必要です。これは努力ですね。何かをやろうとすれば必ず障壁が生まれます。事業であれば資金繰りなどでしょうか。やりたいことを実現するためには資金が必要です。この資金をどっから引っ張ってきますか?来れますか?そのためには事業計画書が必要です。これが出来れば好きなことが出来ます。
サッカーが好きだからサッカー選手になりたい!さてさて、ということですね。
ここまで出来れば何でも出来ると思います。
「やる」とはこういうことです。誰かにテクニックを教えてもらったり、考え方を押し込められるのは間違いです。コンビニでバイトをしたことがある人ならわかると思います。先輩がレジの使い方、棚の整理、掃除の仕方を教えてくれます。
ここにメタファーが働けば、何か他人から教えてもらうことはバイトの研修と同じであって労働するための準備だよね?と気付くはずです。そして教わっていることは経験すれば誰でも出来ることでは?という疑問も生まれませんか?
そこからサッカー選手が生まれるでしょうか。ティエラではサッカー選手という存在も包括する勝てる子を育成しています。子供達には自分が好きなことに打ち込めば勝てるようなベースを築いてもらいます。