全ての戦術的行動はオンザボールから始まります。始まるというのはオンザボールのプレー経験が後に先日的理解につながるという意味です。
オンザボールでどのようなことをやっているのか?体験してきたのか?これによって戦術理解度、巷で言うサッカーIQの高さが変わってきます。
トレーニングの計画はゲームの状況を作り、それが起こるために必要な要素をトレーニング2、トレーニング1、ウォームアップ、と落とし込んでいきます。
まずはウォームアップとトレーニング1でどれくらい体験機会を作ることができるのか?ということが重要になってきます。
このトレーニングというものはある種の挫折体験です。難易度が重要になっていきます。自分が信じている、続けて生きているプレーを捨てることが重要です。
指導者を永くやられている方は、自分の持つ信念のような思いを持っています。これは自分が体験し自分自身を構成する真実でもあり、これを壊されることを人は嫌います。しかし、これを壊さなければ次のステージには立てません。
今まで生きてきた証でもある、真実を原理原則などという事実により矛盾を突きつけられた時、反発してしまう人は指導者としてセンスがありません。そこで、挫折して今まで培ってきた全てを捨てます。そして、事実に基づきそれらを再構成していきます。しかし、さらにそれを事実によって破壊されます。これを繰り返しながら、事実に近づいていきます。
この事実に近づく過程がC級やB級の時に起こることです。そして、いずれ事実を元に真実を作り始めます。これが哲学であり、指導者のフィロソフィーです。
選手もこれと同じです。自分が信じてきた真実を事実によって壊され挫折します。その先にある事実と向き合い始めて一流への道が開けます。
指導者はこの一流への道に挫折なく乗せることが出来ます。それは真実より先に事実を与えるからです。
トレーニングというものは、そのような設計になっています。だから、真実に対して熱心に努力を続けいる子供達はかなり難しいです。
たくさん練習したであろう、一つのドリブルテクニックにこだわってしまったり、一対一にこだわってしまったり、自分の武器なんて言って磨いてみたり、自分の武器は事実の先にある真実”フィロソフィー”のことです。
ここに到達しない限り、見えない景色があります。全ては戦術の理解にあるわけではなく、単なるオンのプレーの積み重ねによる体験と気付きに由来します。
周りを見てあちこちサッカースクールに通っているようでは一生気づくことはありません。指導者と保護者は真実を追い求めロマンに溢れている、この状態では残念ながらどんなに努力しても子供は大成しません。