金曜日はオンザボールのところ(ボールを持っている状態)をトレーニングしています。
シーンはいろいろ想定する事はできますが、基本的にはオンにプレッシャーが有るのか?無いのか?という2つに分類できます。
プレッシャーが無いのであれば、局面は単純に攻撃ということができます。しかしプレッシャーが有るのであれば攻撃からボールを失う局面に差し掛かった状態とも言えると思います。
今回はオンにプレッシャーが無い状態にも少し触れながら、プレッシャーが有る状態の時にどのような判断が求められ、どのようなテクニックが必要になるのか、を確認しながらトレーニングしました。
このオンのトレーニングは結構複雑で単にオンのプレーというわけでなく、オンとオフ、さらにその先のオフとオフの関係性も抑えることで理解が深まります。なぜドリブルなのか?という理解です。
ドリブルのトレーニングはボールコーディネーションとして公園などで自主練する程度なら良いと思いますが、試合からドリブルだけを切り取ってトレーニングするのは不可能、というより少し違うもの、として捉えた方が良いと思います。なぜならサッカーには相手だけでなくオンとオフ、オンと繋がりのないオフも存在する中でチームで勝利を目指すスポーツだからです。またピッチ上のどこでそのテクニックが必要となるのか?という視点も不可欠です。
オンに対してプレッシャーが無いのであれば、よく見るアウトサイドで触るようなドリブルをしても良いと思います。というより相手がいないのでボールが体から離れすぎなければ形は何でも良いです。次のプレーに繋げられるようなところに毎回ボールがコントロールされればなお良いですね!
問題となるのは、相手のプレッシャーがある状態です。これはボールを失う、ボールを奪う、というトランジションのスイッチとなり得る状態です。ここで同じようなボールタッチをしてしまえば当然ボールを失います。しかしボールタッチとステップを細かくするドリブルをよく見ますがかなり特殊な方法に見えます。
普通に考えればボールを失う局面では相手からボールを守ると思います。そこで生まれてくるのがダブルタッチやクライフターンのようなプレーです。これはボールを守りながら動かすプレーです。これをやるためには、ボールを置く位置を変える必要があります。簡単にいうと軸足も運ぶ必要があるということです。一つの現象として「空踏み」というものがあると思います。だからボールに触る足だけで解決しようとすると無理が出てきます。
軸足も使いながら相手のプレッシャーがある中でボールを持つことができたら次のステップに入ります。
それはオンの判断です。繋がりのあるオフを使うのか、さらに覗きに行くのか、切り返して別のオフへ繋ぎに行くのか。ここだけ切り取ると現象として相手をかわしている、抜いている、というように見えると思います。これが一般的に見ているドリブルでは無いでしょうか。
現象であるドリブルをパッケージとして身につけるのではなく、原理原則を理解しそれに必要なテクニックを身に付けると結果的に相手を抜いたり、かわしたりすることができるようになります。またプレーの原則の1番初めに「突破」があります。相手を抜くことを突破とイメージする人のほうが多いのかもしれませんが、サッカーの目的が勝敗であり、攻撃の優先順位がゴールへのプレーである以上、使うシーンはそんなに多く無いと思います。これはドリブルで運ぶよりパスの方が早いからです。
ピッチ上のどこで?どんなシーンを想定しているのか?という条件はとても大切な要素です。トレーニングのオーガナイズに直接的に作用します。
小学生のプレースピードならオンの判断とテクニックを身に付けるのはそんなに難しくはありません。ここから経験を積み重ねていくと良いオンのプレーができる選手になってくれると思います!