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ボールを置くという魔法

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日本のサッカーは理想と現実とで少しズレがあるような気がします。それは「スピード」についです。

スピードは運動会でハッキリしていると思います。保護者の皆さんがざわつくようなスピードで走る子。この子がスピードという能力に恵まれている子です。学校単位ではなく地区に1人いるかいないか、というレベルだと思います。

この子は「スピード」に「テクニック」を掛け合わせることで他を圧倒する力を持つことが出来ます。

100m走で負けている子が何度挑んでもその子に勝つことは出来ないと思います。これが現実です。ここの自己分析があまりにも甘いような気がします。「頑張ればできる」と言ってあげるのはある意味で残酷だと思います。これは課題の先延ばしでしかありません。

「彼を知り己を知れば百戦危うからず」

勝つためには「己を知る」必要があります。

相手に突っ込んでしまう子、すぐに捕まってしまう子には、ハッキリと(今は)スピードでは通用しないことを伝えてあげた方がいいと思います。なぜなら、これは悪いことではなく「自分を知る」ために必要だからです。

サッカーが上手い、とされている人達は運動能力が高い人でもあります。Jリーガーはその頂点に立つ人達です。そのスペックで必要となる考え、テクニックは多くの子たちにとっては参考にはならないと思います。理想と現実を埋めなければなりません。そのためには自己分析が不可欠です。

25万人程度いるジュニアのサッカー人口に対して200人程度のJリーガーです。ほぼ全ての子が通用していないことにもなります。スピードを生かすサッカーをするのであればトレセンのようにセレクションをして選ぶ必要があると思います。

その中で闘えばスピードだけではなく試合終了までクオリティを維持するスタミナも必要なことに気づきます。同レベルのスピードであればテクニックも必要になると思います。

世界中で愛されるサッカーには多くのプレーヤーが存在しています。しかし必ずしもスピードだけで闘っているわけではありません。サッカーを楽しむためにはスピードという基準だけではなく別の基準も追加する必要があります。

なぜなら、スピードという基準だけではやる前から結果が出てますよね?運動会だけでわかります。いろいろな基準が存在し、複雑に干渉しあい、計算できないからサッカーは楽しいのだと思います。

特にサッカー人口が多いジュニア世代ではそんなことが起こるはずです。でも基準を一つにしてしまえばトランジションが繰り返されるとても退屈なサッカーが展開されます。

競争するのではなくオンリーワンを目指すことが勝てる可能性を最後まで残す方法だと思います。既に走り出してしまって止まれない子は「通用しない」と挫折をした時が自己分析をするチャンスだと思います。

オンリーワンになる魔法は「ボールを置く」ことです。

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