ジュニアをみていて、ジュニアユースをみていて、「あーーー•••」と思わず天を仰ぐことがあります。
ここから先の道のりの長さに対して、どのように導いてあげるべきか?残された時間をみながら、なるべく早く体験できる状態に到達させるためには計画が必要です。
一つ一つ壁を崩しながら自由にサッカーを楽しめる状態にもっていきます。
まず1番初めの壁は習慣化されたテクニックです。
プロ選手がみせるシームレスな一連のテクニックは、その形を覚えれば良い、というものではなく、あくまでプレーの延長線上に存在しているものです。判断スピードが上がっているから出来ることであってその結果のテクニックを真似しても全く意味がありません。
ピカソの絵をコピーして持っていても意味がありません。本物でなければ。
プレーを続けることで、複数の判断と行動がシームレスに連結し、まるで一つのテクニックのようにみえてきます。これは現象であってこの現象を再現するために必要となる原因については身につけることが出来ない、また気づくことすら出来ない、ということになります。
ここに時間を投資してもそのテクニックは素人以上に通用することはありません。
このテクニックだけで通用する子もいます。
ハーフの子達のような超一流の身体能力を持つ子達です。ある程度までは判断など関係ないかもしれません。こういうスーパーな子達は、常に相手がいないのと同じ状態なので別に相手を気にすることはありません。どこかで工夫が必要なので何らかの体験を積み重ねておく必要はあります。
普通の子がこの真似をしてはいけません!相手がいない状態は作れません。
ワールドカップでは、日本と比較して海外の方がPKが上手かったです。PKのトレーニングをしているから上手いんだ!というのは間違いだと思います。なぜならそれは現象だからです。
PKはサッカーそのものです。ボールを置き、ゴールに体の向け、GKと駆け引きをしてゴールを狙う。これを動的にコート上で行うのがサッカーです。しかも相手がいて簡単にボールを置かせてもらえません。
だから、ボールを置くことができるのか?体をゴールに向けることができるのか?というのがサッカーの入り口になります。
これが出来るのであれば、次に相手を抜いてシュートを打とう!と自ら決断する、その決断に対してテクニックで実現する、これがプレーですね。
ここでテクニックが足りないのであれば、自主練をすると思います。判断材料が足りないのであればコーチングで気付かせていきます。
そのためには、主体性が不可欠です。二つ目の壁はこれです。
「自ら考え行動すること」これが出来ない子が多いです。となるとプレーどころではないのでサッカーで上に行くことは難しいと思います。オーバースペックのテクニックを詰め込んで歪なプレーもどきを作り上げ他人にマウントをする子の出来上がりです。最悪こうなります。
プレーもどきはプレーではないので、サッカー選手になることは難しいと思います。多少でも相手に対して自分を変えることが出来れば何とかなると思います。変えることがなければ、どこかで負けるのでそれがムラとなり常に勝つことを求められる環境では通用しません。
ティエラでは時間をかけて、まず土壌を作ることから初めてプレーのイメージを持たせていきます。そこからそれを実現するために必要となる前提を身につけてもらいます。あとはその子自身が思うプレーを繰り返すこと、サッカーを観たり、いろいろなアイデアに触れることが重要になってきます。
子供たちをみていると誰でもプレーは出来そうです。
三番目の壁は保護者です。保護者のご理解がなければまず無理です。「もったいないなー」と眺めている子供たちはとてもたくさんいます。