今は誰でも手軽に情報を得ることが出来ます。SNSやYoutubeなど本当に情報が身近にあります。
でも、ここには大きな落とし穴があると思います。それは「分析」してしまうことです。指導者講習会でも話に出たりしますが「解説者」と「指導者」の違い、この視点は重要です。
解説者と指導者とでは明らかな違いがあります。解説者は情報を得れば誰でもなることができます。しかし指導者は体験を得なければなることが難しいです。簡単に言えば、「火起こし」を知っている解説者と実際に「火を起こす」ことが出来る指導者という感じです。
これによって面白い現象が起こります。それは実際には何もないのにそこにロジックを求めるという現象です。
これこそ、「卵が先か、ニワトリが先か」という話になります。たまたまなのか?必然なのか?ということですね。
まず間違い無いのは、昔は情報を手軽に見ることができなかった、ということです。
しかし、ペレさんなどの白黒の映像を見ても現代サッカーでそれぞれ名前が付けられているようなテクニックが多く登場しています。これはなぜでしょう?
ここからは仮説ですが、多くのテクニックは単純な話として何か目的を達成するために偶然生まれたものと考えるのが自然だと思います。それを生み出しているのは本人ですから、当然学習して同じようなシーンでは再現性も出てくると思います。
これをテクニックとして切り取り、そのまま練習に持ち込んでいるのだと思います。何も考えることなくそれを受け取りそれを試す、という選手が出来上がりますがこれで本当に将来通用すると思いますか?
テクニックが先か、プレー(対応力)が先か、ということになります。解説者はテクニックと言うのに対して指導者はプレーと言います。トレーニングもテクニックの教育をする解説者とプレーを生み出す選手育成をする指導者というように変わってくると思います。
アプローチがまるっきり逆になります。
このプレーを身につけた子に対して教育、監督が就くと良い選手になるのだと思います。世界的なレジェンドがストリートサッカーが無くなったことを嘆くのも同じ理由だと思います。どちらが先か?ということですね!
よくコーチによってアドバイスが違うから混乱するというような話がありますが、これは本人が不在になることで起こります。まだ、人からの教育を受けるタイミングでないとこうなってしまいます。タイミングは冷静に見極める必要があります。
今回は「ブレイク」のトレーニングをしました。ゴールに迫るシーンに当たりますが、ここで問題です。ここにロジックがありますか?
得点には「オウンゴール」というものもあります。相手が自らのゴールにボールを入れてしまうことで起こります。相手はゴールを守っているので、それを必ず実行するのであれば絶対に自分のゴールにボールを入れることはあり得ません。
でもプロでもこの現象は起こります。なぜなのか?
これは【たまたまであり、偶然】です。
技術レベルが高い一種の上位カテゴリーやプロであれば偶然を必然にすることが出来ます。要するに戦術です。
しかし、技術が拙い、4種、3種、で勝ちにこだわれば偶然に頼る部分が多くなります。
縦ポンと呼ばれる、GKからのパントキックをスピードのあるFWがフィニッシュする手法、クロスを多用する手法、相手が事前に準備できないセットプレー、ラグビーのようなゴリゴリと突進する手法、などなど多くの勝つため手法が考えられます。
最終ライン突破に必要なことは「考えるな!」ということ。まずはこのヒントから経験を積み偶然上手くいったものを何度か使ってみてクオリティーを上げていけば武器になると思います。
情報にミスリードされることで遠回りになることもあります。