まあよく喋っています。子供達はずーっと喋りながらサッカーをやっています。なぜ喋っているのか?言葉とは何なのか?養老孟司さんの講演の動画で解説されていたので交えながら簡単にご紹介します。
まずは、能力についてです。
能力には「数値化できるもの」と「数値化出来ないもの」があります。別の言い方では「見える能力」と「見えない能力」とも言われるそうです。
大人は「数値化できる能力」に長けています。これは学校のテスト、成績、50m走、身長体重、容姿、経済力、など他人と比べられるものです。
逆に「数値化できない能力」は子供達が長けています。食べのものなどの好み、暑さ寒さの感じ方、目に見えるもの、耳で聞こえるもの、手で触るもの、鼻で嗅ぐもの、口で確かめるもの、など五感と呼ばれるものです。
動画の中で学習とは、「五感でインプットし運動でアウトプットするもの」と定義されています。
なぜよく喋るのか?話すことは運動です。したがって子供達は五感でインプットとして言葉をアウトプットしています。言葉とは伝えられないものを伝えるために発達したもの、ということです。
子供達が話している内容は、その場の状況をそのまま言葉としたようなもの、これは視覚によるインプットを話すという運動によってアウトプットしている現象です。要するに、学んでいる、学習している、ということになります。
よく発達障害を抱えているお子さん達は「少し右に動いて」と伝えても「少し」が分からず動けない、と言われます。考えてみればこれは当たり前なのかもしれません。言葉は何だか分からないものを他人に伝える手段です。「少し」は人によって評価が異なるので難しいですよね。
「1m右に動いて」と具体的に伝えれば動くことが出来ます。「数値化できるもの」に対して長けているということになります。逆に「少し」など「数値化できないもの」は苦手です。
このギャップが生まれそうな「数値化できないもの」ここには大きなチャンスがあります。なぜなら、人によって解釈、捉え方、感じ方、などが全く異なるからです。
この能力の開発は、幼児期が1番向いています。これは教育がまだそこまでないからです。小学生になると小学校に通い教育を受けることになります。これは「数値化できる能力」をトレーニングしていることになります。ただし、数値化できる能力は、誰がやっても同じものが求められるので今後は「AI」が活躍することになると思います。
重要なことはスキャモン曲線を見ても分かる通り、この「数値化できない能力」を12才までに鍛えることです。12才から先は「数値化できる能力」が優位に働くことになります。
だから、幼児期や小学生の低学年の時から数値化できるような能力を鍛えることはかなりまずいと思います。他人と比べられたりすることで学習機会を失いポテンシャルを活かせなくなってしまいます。
言葉は数値化出来ないものを伝える手段です。数値化できるものは視覚的にも把握することが出来ます。だから、大人が説教をしても子供達には「怒られた」という体験以外残らないと言われています。中学生になってくれば話して分かるようになると思います。
そうやって見渡してみると、直立して話を聞いている子供達は異常に映りませんか?話なんか聞けなくて当たり前、というのが常識です。
サッカーがやりたいからサッカーをする、というのはすごく当たり前のように思いますが、これが出来ないのが現実です。
Jリーガーでも30過ぎてからものすごく成長する方がいます。これは経験を積むことで成長したのだと思います。しかし、世界は18才でその域に到達しています。運動能力のピークは18才ごろと言われているので30才では世界で活躍するのが困難です。
「数値化できない能力」が鍵を握っています!真面目にやれよ!などと言って学習を止めてしまったりしていませんか?