コーチングとはどんなものなのか?ふとそんなこと考える機会がありました。
言葉とはどんなもので何を伝えるためのものでしょう?
サッカーのトレーニングでは、プレーをジャッジする、気付きを与える、オーガナイズを説明する、など多くの言葉を使います。
言葉以外の手段としては、デモンストレーション、これは作戦版なども含みますが視覚的に伝えることもできます。
言葉は、聴覚を使ってインプットされます。一方デモンストレーションは視覚を使ってインプットされます。この2つの感覚には以下のような処理の特徴があります。
「具体的なタイムラグは個人によって異なりますが、一般的には視覚情報の処理の方が速く、聴覚情報の処理の方が遅いとされています。したがって、同じ出来事を目と耳で感じた場合、脳は視覚情報を先に処理し、その後に聴覚情報を処理することになります。
ただし、このタイムラグは非常に短く、私たちが普段の生活で気づくほどの遅延ではありません。脳は視覚と聴覚の情報を統合し、私たちが一つの統一された感覚を持つことを可能にしています。」
最近はAIにより必要な情報を取ることができて便利ですね!
視覚と聴覚では厳密にはタイムラグがあるということです。視覚は光をキャッチし聴覚は波をキャッチします。また、言葉というものを聴覚でインプットする場合は、その人物の知識量や体験量に依存することもあります。
さらに視覚というものは「数値化されたもの」を認識することができます。例えば、定規で長さを認識したり、重量計で重さを認識することができます。基本的には、15cmは誰が評価しても15cmで変わることがありません。視覚から得られる情報は数値化できる情報と言い換えることができると思います。しかし、そこには主観や個性もあるため完全に同じものを見ているかというとそうではありません。景色などは数値化できるものではありません。
聴覚で得られる人為的な情報は言葉です。これも視覚と同様に自然の中にある音などについては主観や個性により感じ方は異なります。言葉も違うかもしれません。
言葉は、数値化出来ないものを伝える手段です。例えば、視覚的に得られた景色、ここでは山としますが、その山の情報を言葉に置き換えて伝えることが出来ます。
山頂付近には雪があります。
裾野が広がり雄大な姿です。
三角形というよりは少し沿っているようなイメージで山頂は平らに見えます。
などと視覚で得た情報を言葉を使い聴覚からインプットすることができます。これをシンプルかつ的確に伝える言葉としては「富士山」と伝えれば良いです。皆がイメージを共有しているのであればそれは基準となるので数値化された情報として使えるかもしれません。
この視覚からインプットした情報を言葉としてアウトプットする作業は学習です。このように視覚から得られた情報を喋るという運動によりアウトプットする様子はその人が行う運動と定義することができると思います。
サッカーではプレーの言語化というものがありますが、これはここでいう運動に近いですね。自分がサッカーをプレーすることでインプットした情報を喋るという運動でアウトプットしています。
ても、これにはちょっと違和感がありますね。サッカーをすることで体が動くわけですから既に運動を行っています。
言語化は「体を動かす」から「喋る」という運動の手段を変えたものです。ただ違う点としては「喋る」ことで聴覚からインプットされるということです。よく自分が指導している様子を撮影して見直した方が良い、とアドバイスを頂きますがこれも同じです。ここから検証し体を動かす運動が生まれると2週目の学習になり情報が定着しやすくなると思います。
会話の中で言う「語彙力が無い」というものは、数値化できない情報をあたかも数値化できる情報かのように言葉として伝えた時に起こると思います。
「真面目にやれ!」
これがそれです。「真面目」というのは主観ですので人により評価が異なります。これでは他人に伝わりません。それを伝える方法は、デモンストレーションにより視覚的な情報に置き換えることです。実際に見せて情報を比較できるものにします。それをやらずに言語だけで伝えようとすると、、、徐々にヒートアップして怒ることになりますね。
情報の伝え方としては、数値化できるものについてはデモンストレーションを行い視覚的にインプットし運動というアウトプットをしてもらう。
数値化できないようなものは、言葉を使い聴覚的にインプットし運動というアウトプットをしてもらう。選手に聞いてあげる「発問」という手法があります。
こうなると、何をシンクロコーチングするのか?何をフリーズコーチングするのか?何をデモンストレーションするのか?明確になってくると思います。コーチングというのはとても難しいテクニックなのでトレーニングが必要です。