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ドリブルというもの

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いつしかドリブルの技という形でいろいろな名前が付けられるようになりました。

ダブルタッチ、ルーレット、シザース、などなどいろいろな名前がついています。その名前がついた技にはやり方というものが出来てきて、上手い下手という比較が生まれます。

しかし、ペレが全ての技をやっていました。

技の名前もない時代からやっていた人達がいます。なぜでしょうか?

これは簡単です。その場で生み出しているからです。相手の状態と自分の状態の関係性から自然とそうなっているだけの話です。

その生み出されたものは「手段」の一例です。目的はゴールを「近づくこと」もっと言えばシュート打つことであり、ゴールを取ることです。

経営者は事業計画書というものを書きます。

この事業計画書を見ればわかります。「手段が目的になっている」というのはダメな計画書です。

ドリブルも同じです。手段の上手い下手という上下で比較している内は、本当の意味で上手くなることはありません。それは単なる手段です。

ドリブルが上手い選手は、足が速くアジリティー能力が高い選手です。これを見極めるのはとても簡単です。鬼ごっこで捕まらない子、よく捕まえる子です。

だから、ドリブルをサッカーで生かしたいなら、足を速くして、アジリティー能力を上げれば良いですね。そして、ドリブルには基準があります。私は相手の状況によって四つの基準を作っています。

そしてその基準を反復するトレーニングを計画します。

四つの基準を反復して「状況判断」を身につけてもらいます。

それでゲームを見るとドリブルが生かされています。子供達は状況に応じて技をその場で生み出します。

技をトレーニングするのはとても無駄な努力です。

そして、サッカーもこれと同じで戦術的なトレーニングも、とても無駄な努力です。

トレーニングはゲームを分析した結果であり、ゲームの一部分の現象を切り取ったものです。そこでの判断がゲームの勝敗に影響がある場合、その判断を身に付ける必要があります。手段を身に付けるわけではないのです。

「目的ではなく手段」この罠は経営者であっても抜けられない人もいます。

かつて、ソニーがサムスン電子に技術提供を行いました。その後のサムスンを見ればその効果がどうであったかは一目瞭然です。

ソニーはサムスンに「手段」ではなく「目的」を身に付けさせました。そしてこの「手段」は「現象」であり、「目的」は「原因」です。

「現象ではなく原因」これも同じことを指す言葉です。

手段を反復練習して上手くなっても意味がありません。目的を理解することが重要で目的を達成するのに必要となるのが手段です。

サッカーでは2度と全く同じシーンは再現されません。相手の足の伸び方など都度異なります。

同じ手段を反復練習してそれがどんなに上手くなっても相手の状況、レベルが変われば全く使い物になりません。

サッカーが上手い子は、変化する状況に対応できる経営者のような頭を持つ子です。これは残念ながらサラリーマンの方には全く体験がなく理解出来ない領域です。

分からないものは教えることが出来ない、ドリブルもサッカーもそういうものです。

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