靴飛ばしをすると靴が真上に飛んでしまったりします。今回はこの真上に飛ぶ、ということにフォーカスします。
靴が真上に飛ぶという事はその方向に力が働いていることになります。ボールを蹴るのであれば上方向に力が加わります。そのため、ボールに勢いはありません。
この靴を飛ばすというのは、自分の足の振りによって生まれるエレルギーがどこに抜けていくのか?を、見るのに適しています。
真上に飛ばす場合の特徴は体の下から前に差し掛かったくらいで膝が伸び、そのまま膝が伸びた状態で股関節の可動域に応じて前に振る。その足首は地面に立っている時にと同じく直角に近い角度を有している。
この場合、靴は上に飛んでいきます。
デコピンの指のような動き方です。後で貯めたエネルギーを放出してぶつけるイメージです。この方法を使うために検討しなければならない事は、角度です。
デコピンは空中で行うため腕の角度は自由です。オデコに対してフィニッシュが当たるように調整して観察すると、その角度を陸上で再現すると地面を掘っておかなければならないことに気が付きます。また、手の甲の角度は指を曲げた時の角度に対しておよそマイナス方向に等しいです。となると、それを足と上半身で再現するのは不可能に近いことがわかります。
しかし、ここには一つの気付きが有ります。この角度の対比は足と上半身にも応用ができるということです。シュートフォームのバックスイングの状態で上半身と腿の角度を鏡映しで同じような角度になるよう、言い換えれば円になるようにすればエネルギーが生まれることがわかります。
しかしながら、このデコピンのようなアイデアで靴を飛ばすのは難しそうです。地面に足が通る溝が必要になります。これは、力が加わるのが時計で言うところの6の位置ではなく8の位置だからです。6の位置で地面に引っ掛かります。
人はそれを勝手に調整します。そのため初めは地面を蹴っていた子もそのうち蹴らなくなっていきます。
これはとても優れた脳の仕事であり、逆にこれによって上手くならない、という原因が生まれてもいます。
地面を蹴って”これは違う”とジャッジして他のアイデアに移行できれば良いものですが、それを脳がなんとかして結果的に何かが飛ぶ様子を作ってしまってはそれを鍛錬すれば良い、という錯覚を生み出します。
これが上手くならないメカニズムでしょう。
別に脳はボールをより遠くに飛ばすことを求めていません。求めているのは足を地面にぶつけて怪我をしないことです。
この辺りが上手くならない原因です。ボールが遠くに飛ばなくても生きる上で困らない。ブラジルの貧困地区から出てくる選手は桁違いに上手いです。これは生きることとサッカーが直結しているからです。
脳が渇望する状態を作る。これが重要です。
さて、靴飛ばしに話を戻すと、これにはキネマティックリンクという体の動きを知る必要が有ります。そして、脳が靴を飛ばしたい、と思わない限り上手くなることはなく飛びません。
どうすれば脳は渇望するのか?なぜ上手くならなければならないのか?
私は上手くなりたい!その自我が出るのは14歳前後です。