小学生が強度の高いトレーニングを行うのは結構難しいですね。大人が子供達を威圧しながら強度を上げさせてもそれは無意味です。こういうのは指導とは言わず単なる無知です。
海外では比較的強度を上げてトレーニングできています。なぜ日本では難しいのか?
親が過保護だから?そんなことはないですね。海外の方がその辺りは加速しているかもしれません。
ではなぜか?これは環境の違いです。天然芝と土のグランド、この差です。イングランドでは雨も多く芝は常に柔らかい状態です。そこで転んでも痛くありません。
そして、地面が緩いので足腰は強くなり怪我もしづらくなります。
アフリカではアスファルトの上でも素足でサッカーをしている様子が動画などで見られます。
ずっとこのような環境でサッカーをやっていれば、プレミアリーグのような強度の高いサッカーが生まれ、そこではアフリカ系の選手が捕まることなく交わしていく姿も想像できます。
日本人は真面目なので、指導によって強度を上げることが出来ます。これは日本人ならではの方法だと思います。
中学生になりアイデンティティーを獲得したことは“基準”を示すことで理解しその基準を保ちトレーニングすることも出来ます。
問題は指導者が基準を示すことができるか?です。
小学生の間は強度を上げることが出来ないのか?そんなことはありません。日本の子供達は協調性や思いやりがあります。
同じ学年の子だけでは難しいですが、低学年の子にとって6年性のプレスは強度が高いものになります。このように世代間の体の大きさを利用して無理なく強度を作ることも出来ます。
高学年の子は低学年の子が出来ないことをカバーしなければなりません。その分人よりも動く必要が出て来ます。これにより運動量(スタミナ)や状況判断力を養います。
指導者が何をどうするのか、伝えて取り組んでもらうことも出来ます。しかし、これは先であまり役に立ちません。残念ながら、導ける指導者がどのカテゴリーでも揃っているわけではありません。稀です。
だから今私の目の前にいる子達は、のちに指導者を装ったヘンテコな大人が現れたとしても自分を基準にして成長していけるように体験機会を作っています。
世の中、何も知らない人に向けたビジネスに傾倒したサッカーばかりです。知らない限り気づくことも出来ません。
JFAではフィジカルフィットネスというライセンスを新たに設定しています。お父さんコーチ達はぜひこのライセンスを取得してほしいです。自分が体験すれば机上の空論であることが分かります。
子供達のために自分を犠牲にして何が出来るのか?そしてその犠牲が自分の成長につながること、好奇心を刺激しそれを歓迎すること、これが自然であれば子供達は幸せな未来を迎えます。